史上初の米朝首脳会談が行われた12日、佐賀県内の関係者には評価と落胆の声が交錯した。在日コリアンは「歴史的な一歩」と歓迎したが、核廃絶を願う被爆者は北朝鮮の非核化へ明確な道筋が示されなかったことに嘆息。日本人拉致問題が議題に上ったことで、拉致問題の支援者は日朝協議の進展に期待を寄せた。

 在日本朝鮮人総連合会県本部の林丈一(リムジャンイル)委員長(75)は「何十年もいがみ合ってきた両国が、互いを理解し始めたことが大きい」と会談実現を評価、非核化については「一気には解決できない問題。一歩ずつ進んでいくだろう」と展望した。

 非核化は、共同声明に期限や検証方法など具体的な内容が盛り込まれなかった。県原爆被害者団体協議会(被団協)会長の田中徹さん(77)=三養基郡基山町=は「期待もあった分、拍子抜けした。今後の北朝鮮の姿勢が問われる」と厳しい視線を向けた。

 県被団協の「二・三世の会」会長の前田一美さん(64)=武雄市=は、「1回話し合っただけで、(完全な非核化は)決まらないだろうと思っていた」と冷静に語り、「30回でも40回でもいいから徹底的に話し合い、核兵器のない世界を実現して」と求めた。

 北朝鮮による拉致被害者の支援団体「救う会佐賀」事務局次長の熊谷美加さん(29)=佐賀市=は、トランプ大統領が拉致問題を提起したことを「安倍首相が米国など他国と連携を取ってきた成果」と評価。「今後は日本の外交努力にかかっている」と注目する。

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