佐賀新聞社が県内主要企業に実施した調査によると、2018年度に入って賃上げを「実施した」と答えた企業は7割を超えた。1月中旬~2月初旬に実施した前回調査から微増した。人手不足が深刻化する中、収益が圧迫されるものの、定期昇給などに踏み切らざるを得ない実態が浮き彫りになった。

 調査は4月中旬から下旬にかけて県内に本社や事業所を置く企業200社に実施し、90社(45・0%)から回答を得た。

 賃上げを実施した企業は66社で73・3%。前回調査で「実施する」(28・7%)と「実施する方向で検討中」(43・6%)の合計値から1・0ポイント増えた。製造業は前回調査から17・4ポイント増の88・1%、非製造業は同13・1ポイント減の60・4%だった。業種別では、機械・金属、電気・電子、医薬品製造、印刷、大型店の全社が「実施した」と答えた。

 一方で、賃上げを検討したものの、収益環境の厳しさから断念した中小企業も少なくない。建設関連が前回調査から48・2ポイント減の14・3%、運輸が60・0ポイント減の40・0%、酒造が25・0ポイント減の50・0%、金融が33・3ポイント減の50・0%にとどまる。酒造メーカーの担当者は「人員確保のため必要性は分かるが、無い袖は振れない」と語る。

 具体的な対応(複数回答)については「定昇のみ」が50・7%と最多。「定昇・ベースアップ実施」が31・3%、「ベアのみ」9・0%、「ボーナスのみ」6・0%、「期末手当など」3・0%と続いた。前回は30・9%あった「初任給の引き上げ」はゼロだった。

 賃上げで考慮したこと(複数回答)は「業績」が69・7%と最も多かった。「人材確保、定着率向上」が45・5%、「世間の相場」39・4%、「雇用の維持安定」37・9%が続く。建設と卸売の6割、機械・金属、食品製造、酒造、印刷、大型店の半数が人材確保を理由に挙げた。精密機械メーカーは「業績が順調に伸びており、親会社の賃上げに合わせた」と説明する。

 従業員平均の基本給の引き上げ額(月給、複数回答)は「3千~4千円未満」が31・1%と最多だった。「2千~3千円未満」が21・3%、「5千~6千円未満」が14・8%。3千円台の賃上げを行ったホテルの担当者は「人材を確保するために、インターンシップや職場見学を積極的に実施し、仕事の魅力を伝えている」と語った。

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