Q 私は佐賀市内に住む56歳の単身の男性です。1年前に会社の上司から度重なるパワハラを受けてうつ病となり、突然解雇されました。貯金も底をつき、家賃滞納でアパートから退去を迫られています。(1)現在うつ病が悪化して就労できません。(2)預貯金などの資産はなく、(3)サラ金の借金は120万円に膨れ上がっています。(4)東京に会社員の息子がいますが20年間交流はありません。私は生活保護を受けられるでしょうか。

 A あなたは生活保護を利用できる権利があります。

 貧困は、社会の矛盾や国の政策で生み出されるものでもあります。生活保護法は、国民の基本的人権である憲法25条を具体化した、国民の「最低限度の生活を保障」する法律です。

生活保護は原則として、(1)世帯の収入が国が定める最低生活費を下回り、(2)稼働能力を活用し、(3)資産がなければ、国民の権利として利用することができ、あなたには生活扶助として月額7万6420円と、家賃、医療費が給付されます。

 福祉事務所によっては、(3)「借金がある人は保護を受けられない」、(4)「息子に援助してもらうのが保護の要件」などと言って、(5)申請を拒絶することがあります。

 しかし(3)借金の整理は保護利用後にケースワーカーが支援すべきものです。(4)扶養義務者の援助は、現実に仕送りなどなされた場合に保護費を減額するもので保護開始の要件ではありません。そして(5)福祉事務所に申請を拒絶する権限はありません。

 生活保護は国民の最後のセイフティネットです。しかし、近年国は、生活保護費を大幅に引き下げようとしています。引き下げは、介護保険料や保育料、就学援助、地方税の非課税基準、最低賃金などに連動し、国民生活全般に多大な影響を与えます。生活保護は「あの人たちの問題」ではなく、「私たちの基本的人権」なのです。

 (弁護士 藤藪 貴治 鹿島市)

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