漁師や問屋、企業の担当者がノリ業界の将来について話し合ったパネルディスカッション=佐賀市のグランデはがくれ

 全国のノリ生産者が一堂に会する「第5回海苔サミット」が4、5の両日、佐賀市で開かれた。若手漁師の有志らでつくる実行委員会が主催し、県内では初開催。8県23産地から集まった約170人が、地域や技法の垣根を越えて「未来につながるノリづくり」を話し合った。

 販売枚数、金額ともに15季連続日本一を誇る佐賀も、近年の異常気象による生産リスクの増加や消費の低迷、担い手不足などに例外なく直面している。サミットでは、講演や討議でノリ業界の現状認識を共有し、課題解決方法を探った。

 漁師や問屋、小売業者が登壇したパネルディスカッションでは、将来の不安として、消費の減少や海外輸入品の増加による価格競争、担い手減少による生産体制維持などが挙がった。

 2年前に民間参入し、生産者からノリの乾燥を請け負っている熊本の業者は「新規事業者を迎え入れる窓口を広げるべき」と提言。漁師からは「労働負担は減っても、生産ばかりで消費のことを考えなくなると漁師の価値低下につながる」という反論や、「後継者がいない場合を考えると委託業者もあっていい」などの意見が出た。

 市場拡大に向けては「商品がどこでどう使われるのか、最終シーンを思い浮かべるのが効果的」、一大イベントになった恵方巻きを例に「新たな需要の掘り起こしが必要」、「即効性のあるものは難しいが、消費者のニーズや変化を常に情報収集する必要がある」といった声が上がった。

 サミットではこのほか、経営、技術、働き方、PRをテーマに分科会も開催。また、NTTドコモの担当者がノリ養殖に必要な水温や比重のデータを調べる「ICTブイ」の活用メリットについて報告した。

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