武士の哀歓を描いた作家・滝口康彦さん=1986年11月撮影/作家・04年6月9日死去=資料(昭和61年11月撮影)

 多久市を拠点に活動した時代小説家の滝口康彦さんが死去した。当時80歳。6回にわたり直木賞候補になったほか、第16回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞に輝いた小林正樹監督作品「切腹」(1962年)の原作「異聞浪人記」などで知られた。

 滝口さんは1924(大正13)年に佐世保市で生まれ、33(昭和8)年、多久市に転居。58(同33)年、「高柳父子」で初めて直木賞にノミネートされて以降、計6回同賞候補になった。武家社会の不条理を描いた作品で知られ、生涯で発表したのは100編以上。直木賞作家の故古川薫、故白石一郎と共に「西国三人衆」とも呼ばれた。

 「異聞浪人記」が原作の映画「切腹」には仲代達矢や三國連太郎、岩下志麻らが出演。また2011(平成23)年にも、時代劇初の3D映画「一命」として三池崇史監督によってリメークされ、カンヌ国際映画祭にも再び出品された。

 多久市の西渓公園には、2007(同19)年に建立された滝口さんの文学碑がある。

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