実行委員長を務めた南川副支所の竹下幸佑さん

 有明海は最大6メートルの干満差があり、100以上の河川から豊富な栄養塩が流れ込む。佐賀の養殖は一部を除いて支柱式で、秋芽網と冷凍網の二期作。秋芽網は10月中旬ごろに種付けし、12月中旬まで3~5回摘菜する。いったん網を撤去して病気の感染を防ぐために一定期間空けた後、冷凍した網を再度張り込む。

 佐賀のノリ養殖が本格的に始まったのは昭和28年。養殖網の冷凍保存や全自動乾燥機開発など技術革新を経て、現在のスタイルができあがった。生産枚数は昭和40年ごろから増加傾向となり、近年の平均は約20億枚。全国の約25%を占める一大産地になった。

 佐賀のノリはうま味成分が多く、軟らかい。強い潮汐(ちょうせき)流があり、ノリが栄養塩を吸収しやすい。漁業者、漁協、県が一体となった集団管理方式を導入し、漁場環境の改善、採苗時期の統一、病害の一斉撤去を行うことで病気の被害が軽減され、良質なノリが安定供給できるようになった。複数の経営体による協業化も推進され、割合は約6割に。協業化で生産コストは3割、労働時間は2割削減されている。その分、網の管理など海上作業に手が回り、品質向上につながっている。

 佐賀は販売枚数、金額とも15季連続日本一だが、温暖化による水温上昇やノリの色落ちの発生、養殖作業の省力化などさまざまな課題を抱えている。平成19年以降、高水温のリスク軽減のために採苗時期を遅らせているが、漁期が短縮されて生産量が減り、今まで以上に安定供給が求められている。後継者不足も進み、重労働で人材確保も困難になっている。

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