佐賀県有明海漁協専務理事の江頭忠則さん

 佐賀ノリの特長は口溶けの良さや軟らかさ。そのトップリーダーとなる商品が「佐賀海苔 有明海一番」だ。従来は色、つや、形で等級をつけ、商社がサンプルを食べて札をつけていたが、見た目だけでないおいしさの基準を作ろうとタンパク質の量や食感を調べ、味の数値化に取り組んだ。

 昭和43年に6万6000あった全国のノリ漁家は今は3500余り。販売金額もピーク時の1500億円から800億円にまで減った。業界全体で100億枚あった消費も今は85億枚。コンビニおにぎりが中心の業務用が60億枚近くで、家庭用は衰退した。20億枚あった贈答用は10分の1に落ち込んだ。“下モノ”の平均単価は上がっているが、その上のグレードが伸びていない。今後はどんどん人口は減り、核家族化が進む。国内の市場が変わる中、生産者はノリをとるだけでなく、消費者としての意識を持って動かないといけない。

 たとえば「手巻きご飯」という切り口がある。手巻き寿司は酢飯に合う素材しかマッチングできなかったが、イベントで白ご飯にいろんな具材を巻いて食べてもらうと子どもたちや留学生はとても喜んでくれた。ミネラル成分豊富な健康食品としてのノリの素晴らしさはあまり知られていない。ノリには葉酸がたくさん含まれており、妊婦に勧めている。韓国のスターバックスではノリのメニューも提供されている。今後は「ノリ=ごはん」といった固定観念をなくし、模索する必要があるだろう。

 おいしいノリ作りを次世代に伝えるだけでなく、漁師しか知らないような食べ方のPRも大事。商社や加工業者任せにせず、生産者自身が新しい切り口を提案しないといけない。

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