県境を越えて初めて開かれた「大野島・大詫間親善グラウンドゴルフ大会」=福岡県大川市の筑後川総合運動公園

 佐賀、福岡の県境に位置し、筑後川河口にある島の住民が、島の南北をつなぐ道路建設を求めて盛り上がっている。佐賀市川副町の大詫間と福岡県大川市の大野島。二つの地区は藩政時代からの対立もあって必ずしも良好な関係ではなかったが、島ぐるみの浮揚を目指して合同で嘆願書を各方面に提出している。

 島は筑後川と早津江川に挟まれ、南北7キロ、東西1~2キロ。南が佐賀市の大詫間、北が大川市の大野島に当たる。一つの島に二つの県民が住む全国唯一の島で、大詫間に500世帯1600人、大野島に900世帯2600人が暮らす。

 1600年代に生まれた二つの中州を、佐賀藩と柳川藩が干拓を進めて一つの島になった。郷土史に詳しい馬場正幸さん(70)=大詫間=は「いわば国境地帯で、住民のいさかいが絶えなかった。400年にわたる確執の悲しい歴史がある」といい、その名残りで、東西方向には橋が架かり道路が整っているものの、南北をつなぐ道は細く曲がりくねったままだという。

 そうした中、有明海沿岸道路のインターチェンジ(IC)を2020年度に島の北端に造る計画が浮上した。だが、それだけでは恩恵は大野島にとどまり南側の大詫間には及びにくい。ICから県境までの約1・5キロを幹線道路で結んだらどうかと馬場さんが発案し、住民に共感が広がった。

 大詫間自治会長会の古賀種文会長と、大川市大野島校区区長会の古賀明会長が連名で3月末に「交通上の安全確保と、旧藩時代からの因習を越え、さらなる島内共存交流を図るため」と道路整備を求める嘆願書を作った。これまでに佐賀県や県議会、佐賀市、大川市への要望を終え、次は福岡県へと準備を進めている。

 住民の距離感は一気に縮まり、今月に初めて開いた合同グラウンドゴルフには約200人が集まり、大詫間の古賀会長が「心を一つにすることが重要だ」と呼び掛けた。

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