「明和九」(1772)年と書かれている祈とう札=養父八幡神社

養父八幡神社の建て替えを喜ぶ建設委員と地元のみなさん=鳥栖市養父町

 約1300年前に創建されたとも伝わる鳥栖市養父(やぶ)町の養父八幡神社の社殿が地元住民により約160年ぶりに建て替えられた。すでに落成式とご神体の遷座祭を終え、10日に地元住民向けに由緒などを解説する記念講座が行われる。社殿内部や江戸時代の祈とう札、絵馬なども公開される。

 江戸時代半ばの「養父郡神社記録」によると、奈良時代、養父郡・三根郡の郡司であった壬生春成(みぶはるなり)がおかゆ占いで知られるみやき町の千栗(ちりく)八幡宮を建立した翌年の725年、神のお告げを受けて創建したとされる。

 地域の信仰を集めて大切に祭られてきたが、老朽化したため昨年10月から解体に着手。彫り物の飾りなど一部はそのまま生かして建て替え、4月に落成式と応神天皇など9柱のご神体の遷座祭を終えた。

 社殿は拝殿と神殿が前後につながる八幡造りで、面積は建て替え前よりもやや小さい33平方メートル。工事費約3千万円は地元の企業や氏子ら170団体・個人の寄付でまかなった。

 鳥栖郷土研究会会員の牛島啓爾(けいじ)さん(81)によると、解体した神殿の棟木に「安政二年」(1855年)の銘があったことから約160年前に建てられたと推測した。以前は五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈る祭礼が25年ごとに開かれ、社殿にはその際に納められた明和9(1772)年~大正11(1922)年までの祈とう札15枚が保管されていた。優れた和歌の名人「三十六歌仙」を描いて奉納した絵馬(製作年代不詳)も数枚残っている。

 志藤利則区長(71)と建設委員長を務めた天本良弘さん(75)は多くの支援に感謝し「神社を次世代に引き継ぐことができて良かった」と話している。講座は10日午前9時半からで、牛島さんが神社の由来や社殿、文化財について解説する。問い合わせは志藤さん、電話0942(83)2827。

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