国土交通省は6日までに、九州新幹線長崎ルートの武雄温泉-長崎間の建設費が1200億円膨らみ、6200億円程度に上振れするとの見通しをまとめた。4月に財務省が示した試算と同じ結果で、人件費や資材価格の高騰といった外的要因に加え、地元との協議で設計を変更したことなどが影響した。

 整備新幹線の財源は、JRが支払う貸付料を除き、国と沿線自治体が2対1の割合で負担する仕組みになっている。これに当てはめると佐賀、長崎両県の負担は計400億円程度増えることになる。県ごとの負担割合は不明で、国交省は近く両県に説明する。

 総額が2割以上膨らんだ内訳は、熊本地震の復旧工事の影響で労務単価が520億円、耐震設計基準の改定に伴い110億円がそれぞれ増額した。このほか、地元との協議で新幹線の高架下を通る道路を付け替えたり、景観上の配慮から線路の擁壁に化粧型枠を使用したことで440億円増えた。事業着手後に判明したトンネル入り口の不安定な山の斜面の防災対策などには300億円を要した。

 武雄温泉-長崎間は2022年度の暫定開業に向けてフル規格で整備を進めている。12年度の認可時点では建設費総額5千億円で、歳出予算ベースで佐賀県が408億円、長崎県が1017億円を負担する見込みだった。

 武雄温泉-新鳥栖間へのフリーゲージトレイン(軌間可変電車)導入が困難になり、全線フル規格やミニ新幹線が代替案に浮上している。佐賀県はいずれも負担増を理由に難色を示しているが、整備中の区間でも負担が増すことになる。

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