開門しない前提の漁業振興基金を巡り、農水省の担当者(右)と意見交換する開門派弁護団=東京・霞が関の農水省

 国営諫早湾干拓事業の堤防排水門の開門を求める漁業者側弁護団は6日、関連訴訟の福岡高裁での和解協議が事実上決裂して以降、初めて農林水産省と省内で意見交換をした。「訴訟に負けて開門義務を負った方が、勝った方に開門の権利を放棄しろという異常事態だ」と批判した。

 福岡高裁は国の主張に沿って開門しない前提で100億円の漁業振興基金による和解を勧告したが、開門派は拒否している。弁護団の堀良一事務局長が「基金で有明海は再生するのか」と問うと、横井績農地資源課長は「基金だけで再生できるとは思わない。現在進めているさまざまな再生の取り組みを加速化するもので、必須ではないが、役に立つものだ」と答えた。

 開門派が「基金が役立つというのなら、なぜ和解と関係なくできないのか」とただすと、横井課長は「予算は単年度主義。基金は厳に限定的に運用すべきで通常は認められるものではない。開門しない前提の和解に伴う特別な措置として政府内の了承を得ている」と反論した。

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