「今年は何が何でも結果がほしい」。シーズン前にプロ野球・楽天の古川侑利が発した力強い言葉がようやく結実した。2軍で4勝、防御率0・61という好成績を引っ提げて1軍に昇格し、今季2度目の先発でつかんだ初勝利。「やっと勝てて、プロ野球選手になったなという気持ち」と彼らしい言い回しで喜ぶ姿にほっこりした。

 昨年は先発5試合で未勝利。今季初登板のDeNA戦は5回3失点で黒星に終わった。「次こそは…」。“1勝”をスコアブックに刻もうと、5日の巨人戦もテレビにくぎ付けだった。

 ピンチは再三招いたが、ここ一番の集中力は圧巻だった。特に1点差に迫られた五回裏2死一、三塁。149キロの直球で相手のバットが空を切ると、5年前の甲子園で初勝利を手にしたときのような雄たけびを上げた。

 勝利の権利を持って降板したあともベンチの最前列から仲間の粘投を見守った。九回裏に味方が最後の打者を打ち取り、ウイニングボールを手にした古川の笑顔を見た瞬間、自分のことのようにうれしくなった。

 勝利の余韻が抜けきれない翌朝。出社すると上司から「ようやく“弟”が勝ったな」と声を掛けられた。自分が浮かれるのはおかしいと思うが、なんだか気分が高揚した。(小部亮介)

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