佐賀県は、県内企業が多く加入している全国健康保険協会(協会けんぽ)の被保険者が、肝がんの原因となる肝炎ウイルス検査を受ける際の自己負担を無料にする事業を始めた。30~60代の働く世代に検査を促して早期発見と治療につなげ、肝がん死亡率全国ワーストからの脱却を目指す。

 自己負担がなくなるのは、生活習慣病予防健診の対象者で、35歳以上の協会けんぽの被保険者。手続きは申込用紙への記入だけで、採血を1本多く取り、B型やC型の肝炎ウイルスへの感染の有無を調べる。

 協会けんぽの肝炎ウイルス検査は1回2041円で、従来は協会けんぽが1429円、個人が612円を負担していた。本年度から個人負担分を県が賄う。2018年度の事業費は2096万円で、2万5千人の検査を目標に掲げる。県健康増進課は「早期に発見し、治療や重症化予防につなげたい」と話す。

 厚生労働省によると、佐賀県は2016年まで18年連続で10万人当たりの肝がん死亡率が全国ワーストになっている。県は肝疾患対策を進めており、検査を受けたことがない20歳以上の県内在住者は08年度から肝炎ウイルス検査を無料で受けることができ、現在は256カ所の指定医療機関で実施している。

 ただ、検査のためだけに医療機関に赴くことが必要なため、受検者数は伸び悩んでいた。そのため、18年2月時点の被保険者数が17万3千人に上り、県内の多くの中小企業が加入する協会けんぽ佐賀支部の生活習慣病予防健診に着目し、肝炎ウイルス検査の個人負担分の無料化を決めた。

 支部によると、これまでも健診と同時に肝炎ウイルス検査を受けることはできたが、10年度に2410件だった件数は減少し、16年度は539件にとどまっていた。担当者は「自己負担がなくなり検査を受ける人が増えることで、将来的に医療費の適正化が期待できる」と受検率アップを目指す考えを示す。

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