遺体が遺棄された残土処理場。黄色いテープで囲われた場所から発見された=2015年7月26日午後、佐賀県佐賀市久保泉町

 佐賀市久保泉町川久保の残土置き場の土中から山口県下関市の男女2人の遺体が見つかった事件で、殺人罪などに問われた無職被告(68)=神埼市=の裁判員裁判初公判が4日、佐賀地裁(吉井広幸裁判長)で開かれた。被告は殺人に関し「黙秘します」と述べ、弁護側は「全て争う」と起訴内容を全面的に否認する姿勢を示した。

 公判前整理手続きでは、事件性と被告の犯人性が争点として絞られており、動機の有無、死因を含めた殺害方法の立証などを巡り検察、弁護側が争う。

 検察側は冒頭陳述で、被告は男性から4千万円の借金返済を求められ、被告が「1200万円を支払うから来てほしい」と呼び出したと指摘した。被告は現場で油圧ショベルを運転し、男女2人が乗った軽乗用車に先端のバケットで攻撃を加えて穴に突き落とすなどして生き埋めにしたと主張。「2人の死因は医学的に窒息死と考えて矛盾はない」とした。

 弁護側は「この事件は死刑を求刑される可能性が高い」と前置きした上で被告の犯人性について言及。動機面で「(借金返済で)被告が人を殺すほど追い詰められていたとは言えない」と強調、2人の遺体はいずれも医師による圧死の所見がなかったとして「被告の関与は不明で、関与があったとしても殺害したと言えるのか。傷害や事故かもしれない」と述べた。

 この日は警察官4人の証人尋問もあり、現場を掘り起こして遺体や車を発見した状況などを証言した。

 起訴状によると、被告は2014年8月15日、残土置き場で、在日韓国人で下関市長崎町の会社経営羅時燦(ラ・ジサン)さん=当時(76)=と知人の同市新地西町、無職松代智恵さん=同(48)=を約5メートルの穴に落とし、油圧ショベルで土砂を掛けるなどして窒息死させたとしている。

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