唐津湾をパトロール中の巡視船「まつうら」

 「海上保安官は警察官と何が違うの」という質問を受けることがあります。海上保安官も警察官も犯罪を取り締まるという任務は同じで、海上保安官は「海の警察官」と言っていいと思いますが、海上保安官には海上における犯罪の取り締まりのほか、海難救助や災害対応、船舶の航行安全もあれば、領海警備という四方を海に囲まれたわが国ならではの任務があります。

 また、船舶火災の消火や海難時の人命救助、航行中の船舶内で発生した傷病者の救急搬送も行いますので、「海の消防官」とも言えるかもしれません。

 海上保安官はおおむね2、3年で異動(転勤)となります。私はこれまで約30年の海上保安官生活で14回の転勤を経験しました。

 特に記憶に残っているのは、船舶海難で遭難者の生存が危ぶまれる環境下において、遭難者を発見し、無事に救助できた時に遭難者の方々が見せる安堵(あんど)の表情です。いくつかの海難救助に対応してきましたが、必ず救助できたわけではありません。そのような経験も当然記憶から消えることはありませんが、どのような業務であっても人の役に立てたと感じられた時は、この仕事をしていて本当に良かったと思います。

 昼夜、荒天下を問わず海難救助等の業務に従事する上、転勤に伴う慣れない土地での生活もありますが、その土地ごとに楽しみも多いものです。私は今年4月唐津に赴任しました。風情あふれる町並みや東松浦半島から望む玄海灘の景観は心癒やされるものがあり、うわさに名高い「唐津くんち」を見るのが今一番の楽しみです。

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