平成11年5月31日、船底のいけすにすし詰め状態で見つかった中国人密航者(県警提供)

 唐津署の警備艇がこの日の夜、唐津市大島の北北東約5キロの海上で不審な漁船を見つけた。調べると、中国人男女60人が船底に隠れていた。密入国を認めたため、同署は集団密航事件とみて、入管難民法違反(旅券不携帯)の現行犯で中国人全員を逮捕、密航者を運んだ長崎県内の船員ら4人を同法違反(密航者輸送)の現行犯で逮捕した。

 漁船(約20トン)は長崎県船籍で、未成年者を含む中国の男性32人、女性28人が乗っていた。日本で働くため、5月26日に中国福建省を出港し、韓国で日本船に乗り換えたという。発見された際、幅2メートル、奥行き9メートル、高さ1メートルの狭い空間にすし詰め状態で、2日間飲まず食わずだった。手錠をかけられていた者も数人いた。

 その後の捜査と公判で、中国の密入国あっせん組織と日本の暴力団が、貧困にあえぐ中国人らをそそのかし不法入国させていた構図が明らかになった。

 県警によると、平成14(2002)年にも唐津港で中国人密航者23人を逮捕するなど、平成9年から14年にかけて県内6件の集団密航が確認された。沿岸警備の強化などでここ数年は密航事案は確認されていない。(新元号まであと335日)

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