佐賀県に陸自ヘリ墜落事故の調査状況を報告する防衛省の大野敬太郎政務官(左から2人目)ら関係者=県庁

 AH64D戦闘ヘリコプターのメインローターヘッド(写真は陸上自衛隊ホームページ)

 神埼市千代田町の民家に2月5日、陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した事故で、防衛省の大野敬太郎政務官が28日、佐賀県を訪れ、調査状況の中間報告をした。防衛省側は操縦や整備のミスではなく、機体の主要部品を構成するボルトの破断が事故を引き起こしたと説明した。破断原因を特定するため、外部の専門機関に委託して調査を継続する。

 防衛省側は関係者への聞き取りや、機体の状態などを記録しているメンテナンスデータレコーダーを解析した結果、主回転翼の羽根と機体の回転軸をつなぐ「メインローターヘッド」の内部にある金属製ボルトが破断し、羽根が外れたことで墜落したと説明した。直前の操縦や飛行状態に異常な記録はなく、破断面は通常は整備を行う箇所ではないことから「パイロットや整備士のミスに起因するものではない」とした。

 破断原因について防衛省側は「何年かボルトを締め付けた状態で、何らかの理由で腐食したと考えている」と説明した。ただ、特定には至っておらず「これ以上の検査はメーカーではできない」と判断し、外部機関で調べる。事故発生から原則4カ月以内とされる防衛相への報告はこの中間報告にとどまり、大臣の了承を得て調査を延長する。

 調査の終了時期について大野政務官は報道陣に「スケジュール感は申し上げることはない」と明言しなかった。県庁で応対した副島良彦副知事は原因究明を求める一方、関係市町への積極的な情報公開や、被害者家族を含めた周辺住民への丁寧な対応を注文した。

 中間報告の内容は、事故現場がある神埼市や駐屯地が立地する吉野ヶ里町、三養基郡上峰町でも説明し、被害者家族にも伝えた。

 防衛省側は、佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画については各自治体への説明では言及しなかった。大野政務官は安全保障などで「重要な役割を担う機体」と報道陣に説明しつつ「現時点では県と直接やりとりする段階ではない」と述べた。山口祥義知事は「防衛省が判断されること」と話した。

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