地域住民と下校する小学生。登下校を見守る担い手の確保が課題になっている=佐賀市

 佐賀県警が認知した県内の子どもや女性に対する声掛け事案は、昨年1年間に116件あり、72件だった2012年の約1・6倍に増えた。全国で登下校中の子どもが事件に巻き込まれる事案が続き、子どもや地域の警戒心の強まりとともに通報するケースが増えていることも一因にあるとみられる。一方で登下校を見守るボランティアは高齢化や後継者不足が進み、人材確保が課題となっている。

 県警によると、学齢別でみると小学生が66人と最も多く、高校性25人、中学生13人と続いた。場所別では路上82件、駐車場10件、店舗内8件、バス停4件など。発生時間帯では午後3~6時が61件で、下校時間が半数を上回った。警察署別では佐賀南署と佐賀北署が各26件で最多だった。

 今年は4月末現在で計41件(前年同期比5件減)。武雄市で下校中の女児が男から「好きなもん買うてやるけん、ついてこんね」と声を掛けられたほか、伊万里市の路上で女児が男から「お家どこ」と声を掛けられ、近くの店舗に逃げ込んだ事案があった。

 増加の背景について、県警人身安全・少年課は「しっかりと分析できていない」と説明。近年は通報の現場で確認すると、見守り目的の善意の声掛けのケースもあるといい「見知らぬ人に対する警戒心が強まっているのでは」と推測する。

 今月7日に新潟県内の女子児童が下校中に連れ去られ、遺体で見つかった事件では、見守りの担い手不足が指摘された。登下校の見守りなどの防犯ボランティアは全国的に減少傾向にあり、佐賀県内も17年現在は前年より11団体少ない243団体、3142人減の2万8502人となった。

 立ち上げから15年近くになる三養基郡上峰町の「上坊所地区青少年サポートパトロールの会」は、会員約30人の平均年齢が70歳を超え、巡回に体力面の厳しさを感じる人も出てきている。重松規昌会長(79)は「活動継続には知恵を出す必要がある。保護者や町とも連携し、見守りの目を増やしていきたい」と話す。

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