福岡ひびき信金の個人向けローンの販促をAIで行うクラウドシステム。数字だけ分析するため個人を特定される情報は分析していない=佐賀市の福博印刷

 福博印刷(佐賀市、宮原和弘社長)は、人工知能(AI)を金融に活用する事業を始めた。福岡ひびき信用金庫(北九州市)が扱う個人向けローンの販売促進をAIで行う実証実験に取り組んでいる。ローンに関心がありそうな客層を抽出してダイレクトメールを送るなど、効率的に新規客を獲得するノウハウを確立させる。

 AI分析は、福岡市のグルーヴノーツが開発したクラウドサービス「マゼランブロックス」を使う。福博印刷は昨年12月に同サービスの代理店となり、小売店の需要予測などを行っている。

 具体的には、信金から預かった預貯金や融資残高など86項目の顧客データを活用する。AIが絞り込んだ「ローンを利用しそうな客層」にダイレクトメールを5月末に送る。3カ月間の返信率をこれまでのデータと比較して検証する。実験結果を踏まえ、返信率の精度を上げるためどんな項目を入力すればいいかなど機械学習の手法を探る。

 顧客情報保護の観点から氏名や住所、口座番号、店番号などのデータは信金から提供を受けていないという。

 地域の金融機関は日銀のマイナス金利に伴い、法人融資にとどまらない収益源の多角化が求められている。一定のノウハウを確立できれば、他の金融機関にもこのシステムを売り込んでいく。

 福博印刷の担当者は、AIは融資審査に使われてきたが、こうした販売促進に活用するケースは珍しいといい「消費行動はいろんな要因があるため、予測が難しかった。複雑な要因を瞬時に分析できるAIの特長を生かせるよう研究していきたい」と抱負を語った。

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