国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡る訴訟で、開門を求める漁業者の弁護団は22日、佐賀など有明海沿岸3県の漁業団体が要望していた福岡高裁の和解協議の継続に応じない意向を明らかにした。開門しないことを前提にした高裁の和解協議の方針を批判し、打ち切りを訴えた。

 弁護団が21日付で漁業団体に送付した文書では、「有明海再生の可能性を秘めた開門を頭から否定し、議論の対象に加えないのは不公正」などと協議に参加しない理由を説明した。国が示す漁業振興の基金創設案や漁業団体が要望する堤防内の調整池の排水対策は、協議以外の場で国に求めて実現を目指すよう促した。

 馬奈木昭雄弁護団長は福岡市での会見で、28日の和解協議も参加しないことを表明した。「協議の継続を拒んでいるのは裁判所の方。開門を含めた議論をするように漁業団体からも要求してほしい」と強調した。

 佐賀、福岡、熊本の3県漁業団体は1日、開門せずに国が示す基金案で解決を図る和解協議の継続を要望する考え方を発表し、文書を弁護団に郵送していた。

 佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長は「訴訟当事者にこちらからどうこうとは言えない」としつつ、「(開門の議論は)要望して裁判所や国が受け止めてくれるのであればしていた。国は開門しないと割り切っている」と述べた。

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