盗掘対策について、実際の窯跡を見学しながら話し合う合同会議のメンバー=唐津市北波多

盗掘対策について、実際の窯跡を見学しながら話し合う合同会議のメンバー=唐津市北波多

 窯跡から陶片などの遺物が盗まれる盗掘問題で、佐賀県文化財課は22日、2017年度の県内被害件数がゼロだったと発表した。統計がある2000年以降で初めてで、行政や地域住民、県警が連携して警戒してきたことの成果とみており、監視を継続する。

 唐津市北波多で開かれた窯跡盗掘対策合同会議で報告された。

 県内には窯跡が約300カ所ある。このうち国指定史跡は17カ所、県指定は5カ所、市町指定は8カ所。被害は07年の26件をピークに減少傾向にあったが、根絶には至ってなかった。

 窯跡から出土する陶片には愛好家が存在し、高値で取引されるケースもある。県文化財課によると、過去には重機で掘り起こした手口もあったという。

 窯跡盗掘対策合同会議は県が15年に設置し、市町の教育委員会や県立九州陶磁文化館、県警、唐津署、伊万里署などが加わって、盗掘情報の共有や対策を話し合ってきた。意見をもとに、09年からは窯跡に監視カメラも設置していた。

 合同会議のメンバーは22日、北波多の窯跡を見学し、カメラの位置や盗掘の手口を再確認した。県文化財課の担当者は被害ゼロについて「これまでの取り組みが結果に結びついた」と受け止めつつ、「安心せず、引き続き監視を続けていく」と話した。

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