保育料の補助をうたう張り紙。4月に掲示して以降、問い合わせも増えているという=佐賀市のスーパーモリナガ空港通り店

 慢性的な人手不足から、飲食業や小売業を中心に、やむを得ず閉店したり、営業時間を短縮したりする店が増えている。求人を出しても、問い合わせがないことも珍しくない。なんとか働き手を確保しようと、福利厚生の向上をアピールする企業も出てきた。

 唐津市の飲食店は、従業員2人が辞めたのを機に、昨年8月から夜の営業を日曜日だけにした。「バイトが雇えたら夜の営業も再開する予定だった」と男性店主(65)。ところが、1年以上たった今も状況が好転する兆しが見えない。これまでに折り込みチラシに3回、求人を掲載したが、電話一本かかってこなかった。店主は「もう夜の再開は無理かも」とため息をつく。

 3月末、佐賀市北部で20年近く営業してきたコンビニエンスストアは、アルバイトを確保できずに閉店した。以前は夜勤があり、“割がいい”と大学生ですぐ枠が埋まっていた。女性店長(54)は「1年前に欠員が出て、求人を出したら、全く集まらなくなって…」。午後10時から翌朝8時までのシフトに夫が週5回入った。コンビニ以外の自営との二足のわらじ。「このままだと夫婦共倒れ。体力的に限界」。3月はフランチャイズ契約の更新月。結べばあと10年営業しないといけない。女性店長は「1日でも早く終わりたかった。やっと閉められる」。ほっとした表情を見せた。

 深刻化する人手不足。子育て世帯向けの福利厚生を打ち出し、人手確保につなげようという動きも出てきた。スーパーモリナガ(本社・佐賀市)は4月から求人に、未就学児の保育料の3割を補助することをアピールしている。店内に掲示して以降、問い合わせは多く、実際に採用にも結びついている。同社では、ほかにも1月に特別手当を支給するなど福利厚生の向上に力を入れている。「働きやすい環境を整えることは今いる人材の定着にもつながる。より魅力的な職場にしたい」と話す。

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