トークショーで、鍋島直正の胸中について思いを巡らす俳優の石原良純さん(左)ら=佐賀市の県立美術館ホール

 佐賀藩10代藩主・鍋島直正をテーマにしたトークショーが20日、佐賀市の県立美術館ホールで開かれた。俳優の石原良純さんらが登壇、幕末維新の激動期に佐賀藩が果たした役割を振り返りながら、直正がどのような「志」を持って時代を切り開いたのか、希代の名君とも称されたリーダーの人物像と胸中に迫った。

 「肥前さが幕末維新博覧会」の特別企画第1弾として開催。博覧会のCMに出演している石原さんをゲストに招き、維新博展示アドバイザーの東京大学総合研究博物館特任教授の洪恒夫さんと、鍋島報效会主任学芸員の富田紘次さんで意見を交わした。

 佐賀藩はいち早く西洋の科学技術を導入し、反射炉による日本初の鉄製大砲鋳造や、実用蒸気船「凌風丸」の建造を成し遂げた。石原さんは「すごい力があったのに『薩長土肥』の中で肥前の底力が伝わっていない。150年をきっかけにもっと知ってもらう価値がある」と訴えた。

 富田さんは、佐賀藩が先進的な技術を取り入れたのは「家職として担っていた長崎警備に対する責任感」と指摘。一方、鳥羽伏見の戦いで軍事的な行動を起こさなかったことについては「直正公は律儀な方。軍事力はあくまで長崎警備のためで、これを使って中央の政局に首を突っ込むべきではないという考えだったのでは」と推し量った。

 洪さんも「我々の技術は国内の争いのために使うべきではない」という展示館のナレーションを引用し、直正の胸中を推察。「日本のことを考え、複眼的、総合的な視点を持ったマルチな方」と評した。

 トークショーは維新博の展示テーマ「人」「技」「志」を深掘りする目的で、400人余りが聴き入った。第2弾は9月16日、産業革命をリードした佐賀藩の「技」に焦点を当てて開く。

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