ハンドボールの高松宮記念杯第8回全日本社会人選手権大会最終日は20日、福井県の永平寺緑の村ふれあいセンターで男女の決勝リーグ最終戦があった。トヨタ紡織九州レッドトルネード(神埼市)はトヨタ車体(愛知県)に22-30で敗退。決勝リーグは3戦全敗となったが、7年ぶりに4位に食い込んだ。
トヨタ紡織九州は前半、RB田中大斗やLBパク・ヨンギルらの粘り強い守備で相手の攻撃を防いだ。しかし、CBキム・ドンチョルのシュートが何度もバーをたたくなどかみ合わず、逆に反撃を許して、8-15で折り返した。後半はRW鈴木済やLB八巻雄一らを投入。CBキムの連続得点などで一時は追い上げたが、最後は攻守にミスが出て点差を広げられた。
男子は大崎電気(埼玉県)、女子は北國銀行(石川県)が決勝リーグ3戦全勝で優勝した。
▽男子決勝リーグ
トヨタ車体 30-22 トヨタ紡織九州
■目標達成も課題山積
キム・ミョンヘ新監督とともに挑んだ今季最初の公式戦は、4強入りを果たして手応えを得る一方、課題も残る大会となった。トヨタ紡織九州レッドトルネードは、最終戦のトヨタ車体に完敗。決勝リーグは3戦全敗で、上位との力の差を見せつけられた。
トヨタ車体戦は序盤、持ち味の守備が機能した。鋭い出足を見せる選手たちが相手の攻撃を何度もブロック。しかし、時間の経過とともに動きが鈍り始めると、連続失点を喫した。
決勝リーグの相手がいずれも上位常連で4~5日間の連戦が経験済みだったのに対し、トヨタ紡織九州にとっては“未知の領域”だった。田中大斗主将は「決勝リーグに入ってからは目の前の試合で精いっぱいだった」と明かす。運動量豊富な韓国代表のCBキム・ドンチョルでさえ、疲労で切れを失い、シュートが枠に飛ばなかった。
大会を終え、「目標の4強入り達成は大きな収穫だったが、これからやるべきことも見えた」とキム監督。就任1カ月でチームづくりは始まったばかり。「攻撃、守備、体力強化とやることは山積みだが、一つ一つクリアしていきたい」と前向きに語った