日本での近代西洋医学の発展の礎を築いた伊東玄朴(1800~71年)の記念館整備に向け、神埼市が募っている寄付金が伸び悩んでいる。整備費用の一部として1億円を目標にしているが、18日時点で1割に満たない102件、521万5千円にとどまっている。玄朴の生誕220周年となる2020年度までの完成を目指しており、構想の周知に力を入れる。

 市は2016年2月、県史跡で神埼市神埼町的にある玄朴の旧宅付近に記念館を建設する基本構想を策定した。延べ床面積約700平方メートルの施設の整備費の一部として寄付を募ることを決め、告知のチラシや振込用紙の製作費など約80万円を17年度の当初予算で組んだ。チラシが完成した昨年9月ごろから本格的に、個人1口5千円、法人・団体1口5万円の寄付を呼び掛けてきた。

 市政策推進室は「市民を中心に寄付をしてもらえている」と捉える一方、伸び悩んでいる状況に「PRがうまくいっていない」と、周知が十分ではなかったと受け止めている。

 そのため今後は県内での働き掛けを強め、県外の医師会や医療関係企業などにも協力を呼び掛けていく。構想自体は見直さず、「本年度中に最低でも半分の5千万円を目標にしていく」と推進室は話す。記念館の建設地は未定で、春と秋に一般公開される九年庵などの観光地周辺で複数箇所を模索している。

 玄朴は天然痘を予防する種痘の普及や、東京大医学部のルーツとなるお玉ケ池種痘所の設立などに尽力した。

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