与党検討委員会で長崎ルート整備に関する佐賀県の意見を伝えた山口祥義知事(中央)=東京・永田町の衆院第2議員会館

 九州新幹線長崎ルートの整備方式を巡り、佐賀県の山口祥義知事は11日、与党検討委員会に出席し、多額の追加負担を伴う全線フル規格での整備は「受け入れられない」と反対の意向を示した。長崎県とJR九州が全線フルを要望している点を踏まえ、「佐賀県の意思と、両県の合意が整備の前提だ」とけん制した。

 山口知事は国土交通省が3月にまとめた検討結果を基にした県独自の試算を公表し、全線フルで整備した場合、歳出予算ベースで長崎県の負担が1017億円なのに対し、佐賀県は2倍以上の2408億円に上るとした。報道陣には「負担には限度があり、全線フルは現実的ではない」と強調した。

 山口知事は1992年の合意から続く計画の経緯を説明し、「並行在来線問題など県民を二分する厳しい議論を経て合意に至った」と訴えた。その上で2016年3月の6者合意に基づく肥前山口-武雄温泉間の全線複線化の確実な実施も要望した。

 事実上断念となったフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の代替案の一つであるミニ新幹線に関し、山口知事は「全く検討していない」として意見を述べなかった。その上で「どれかの案を選べと言われても、どれも選べる状況にない」と話した。

 委員からは「長崎からみると全線フルしかない。もうちょっと長崎の立場になってほしい」「ミニ新幹線についての佐賀の考えを示してほしい」「FGT断念は国の責任なので佐賀の負担軽減について議論しなければならない」などの意見が出たという。

 検討委は今後、ミニ新幹線について佐賀県の意見も踏まえ詳細に検討し、両県の具体的な財政負担を調べ、7月ごろまでに結論をまとめる。

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