天山酒造の七田謙介社長=小城市の同酒造

海外展開などの実績が評価され「はばたく中小企業300社」に選ばれた種商の諸冨和馬社長=鳥栖市

 中小企業庁がまとめた「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に、佐賀県内から、酒造メーカーの「天山酒造」(小城市、七田謙介社長)と雑穀加工食品製造の「種商」(鳥栖市、諸冨和馬社長)が選ばれた。ともに、世界に向けた需要拡大の取り組みが評価された。

 「天山」や「岩蔵」、「七田」を製造する天山酒造は1996年、米国を皮切りに海外輸出を始めた。翌年には香港への輸出を始め、現在は米国やアジアを中心に約20カ国に展開している。海外輸出量は全体出荷量の8~9%を占める。

 輸出に乗り出した当初、七田社長自ら渡米して輸入仲介業者と飲食店に営業をかけた。相手にされないこともあったが、店の休憩時間などに商品を売り込んだ。米国のバーを訪れた際、「日本酒をおいしそうに飲む外国人を見かけた。その姿に感動した。日本酒を広めたい思いが強くなった」と七田社長。

 和食ブームや2014年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の受賞などを機に海外での知名度を高め、輸出量は5年前に比べて2倍に。17年にはフランスで開かれた日本酒コンクールで最高賞に輝いた。オーストリアやスペイン、イタリアなどから問い合わせがあり、ヨーロッパでの販路開拓の足がかりとなっている。

 近年は酒造りや佐賀の食文化に触れてもらおうと、商談相手を蔵に招待している。七田社長は「2020年に東京五輪を控え、日本食とともに日本酒の良さをPRするチャンス。海外市場はまだのびしろがある。さらなる拡大を目指したい」と意気込みを語る。

 種商は12カ国への積極的な海外展開や、材料の米や麦を県内農家と契約して確保するビジネスモデルが高い評価を受けた。

 同社の主力商品は米と一緒に炊く、チアシードなど9種類の雑穀の入った「スーパーフード9」で、アジアを中心に、アメリカやイギリスにも輸出している。原料の中で、黒米やもち麦は県内農家の契約栽培で、農家の収入アップにも寄与している。

 少子高齢化による需要減を懸念し、海外に販路を拡大してきた同社。諸冨社長は「海外でも生活習慣病を予防したいというニーズは高い。健康志向の高まる市場に活路があると思った」と振り返る。また、鳥栖市内3工場で製造する約250品は2014年、イスラム教の戒律に沿って処理するハラールの認証を取得した。諸冨社長は「訪日外国人の増加やイスラム圏への輸出に備えたい」と今後を見据える。

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