Q 2年前、父が亡くなりました。母は4年前に亡くなり、子どもは私一人です。先日、父宛てに債権回収会社から郵便が届き、150万円を請求されています。父が生前に借金をしていたようなのですが、私が支払わなければならないのでしょうか。

 A 相続する場合、不動産や預貯金のようなプラスの遺産だけでなく、借金などのマイナスの遺産も引き継ぐこととなります。

 そのため、相続人は亡くなった人が残した借金も引き継いで返済する責任が生じます。

 しかし、相続放棄という手続きがあります。裁判所で相続放棄が認められれば、プラスの遺産もマイナスの遺産もどちらも引き継がないことになります。ただし、この手続きは自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に行わなければなりません。また、遺産の一部でも相続した後は、相続放棄はできません。

 相談者の場合、父親が2年前に亡くなったということですが、父親の借金の存在を知ってから3カ月以内であれば相続放棄が認められる可能性があります。ただし、既に父親の預貯金を解約して使ったなどの事情があれば、遺産の一部を相続したとみなされ、相続放棄が認められないことになります。

 相続放棄が認められない場合は、父親の借金を負うことになりますが、父親が借金をした時期によっては消滅時効を主張し、債務を免れる可能性があります。

 最後の取引から5年あるいは10年が経過すると、時効が成立することもありますが、取引から時間が経過しているからといって、必ず時効が成立しているとは限りません。

 例えば、相談者の父親が生前に貸金を請求する裁判を起こされて敗訴していた場合、裁判の確定の日から10年経過した時が時効となりますので、借入から5年あるいは10年以上たっていても時効が成立していないことになります。

 相続放棄も時効主張も成立するか否かはケースバイケースなので、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

 (弁護士 補伽圭史郎 鹿島市)

 

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