陸上自衛隊ヘリ墜落事故現場の集落。発生から3カ月となり、周辺の畑では麦の穂が風に揺れる季節になった=神埼市千代田町

 神埼市千代田町の民家に陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、隊員2人が死亡した事故から5日で3カ月になる。防衛省は事故発生から原則4カ月以内に防衛相に報告書を提出する訓令に基づき、調査を終えていなくても、6月上旬までに途中経過の情報を大臣に示す可能性を示唆している。事故原因の特定にはさらに時間がかかることも予想され、解析作業の進ちょくの度合いが注目される。

 陸幕広報室によると、陸自の事故調査委員会(事故調)は4月中旬までに3回開かれた。「経過段階では公表していない」として、会合の具体的な内容への言及は避けつつ、「4カ月までに何かしらを取りまとめて伝えることになる。大臣への報告が延期になることはない」と説明した。

 事故を巡っては、部品の問題や整備との関連の有無が焦点になっている。飛行記録や整備履歴に関するメンテナンス・データ・レコーダー(MDR)の分析や、4枚の羽根を回転軸に固定する「メインローターヘッド」の破断部分の解析などが進められている。

 自衛隊とともに捜索を進めた神埼署では、聴取した内容や隊員の検視結果を3月上旬に提出して以降、目立った動きはないという。被災自治体として事故直後から自衛隊との連絡窓口になってきた神埼市の防災危機管理課も、現在は補償に関する連絡が入る程度にとどまっている。

 事故当時は寒風が吹き、雪も舞っていた現場の地区では麦が育ち、時間の経過を感じさせている。

 4月から区長になった男性(68)は現場の近くに住んでいる。事故の瞬間は家にいて、倉庫に破片が飛んで被害を受けた。修復は終えたものの、事故を「決して忘れてはいけない」と強調し、「二度と起こさないためにも、まずは原因をはっきりさせてほしい」と望む。

 ヘリは2月5日午後4時43分ごろ、定期整備後の試験飛行中に墜落、現場の住宅が全焼し、この家にいた小学生の女児がけがをした。隣の親族の住宅も焼け、他にも部品落下などによる8件の被害が確認された。

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