川柳大会で秀句を読み上げる真島清弘さん(奥)=4月22日、神埼郡吉野ヶ里町の東脊振健康福祉センター「きらら館」

川柳大会の参加者へのお土産として、竹細工を手作りする真島清弘さん=3月下旬、神埼郡吉野ヶ里町の自宅

 九州最大級の川柳大会「吉野ヶ里川柳大会」が4月下旬、神埼郡吉野ヶ里町で開かれた。主催したのは地元の「わかば川柳会」の真島清弘さん(77)。膵臓がんと闘いながら、40回の節目の大会で選者を務めた。九州内外の約200人の川柳愛好者と交流した真島さんは「病気を治して、50回、60回と続けたい」と気力を奮い、歩みを進めようとしている。

 真島さんは元会社員で、50年前に川柳を始めた。軽い気持ちで応募した佐賀県文学賞で2席に選ばれ、審査員で佐賀番傘川柳会会長だった北島醇じ酔さんに例会に誘われた。美智子さん(72)と結婚すると、連れだって句会に足を運ぶようになる。授かった娘2人は抱いていき、川柳を子守歌代わりに育った。真島さんらは「川柳一家」として全国でも知られるようになり、少人数で始めた川柳イベントを育てていった。

 がんが見つかったのは今年1月で、医師から「何もしなかったら1週間」と余命を告げられるほどに進行していた。真島さんはショックを受けたが、「まずは記念の40回大会を完成させる」と覚悟を決めた。

 抗がん剤治療を受けながら準備を進めた。真島さんが、大会のお土産として配る手作りの竹細工や山野草の苗は毎年人気で、今回も喜んでもらおうと、竹を削り、苗に水を与えた。

 そうしているうちに体調は徐々に回復し、腫瘍も手術の可能性が見えてくるほどに小さくなっていった。美智子さんは「生きる目標があるからですかね。川柳に生かしてもらっていると感じる」と話した。

 吉野ヶ里町の東脊振健康福祉センター「きらら館」で4月22日に開かれた大会では、真島さんが5人の選者の中で1番手を務めた。普段通り時に力強く、時に優しく、選んだ句を読み上げた。お土産の抽選会は笑いに包まれ、10年以上参加している石田忠夫さん(70)=福岡市=は「こんなにアットホームな大会はない。真島さん一家の川柳への情熱に、みんな引かれている」と満足げだった。

 集大成を目指した真島さんの川柳人生は続く。参加者に「大会は来年も続きます。まだまだよろしくお願いします」とあいさつした。

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