日本一大きい収穫用農機の上で農業について語る松隈利生さん=鳥栖市

 鳥栖市高田町の農業、松隈利生(としお)さん(64)に話を聞いていると、まるで商社マンか企業経営者である。

 経営面積38ヘクタール。米麦に加えて、ジャガ芋作りに乗り出したのは12年ほど前のこと。北海道で使われている日本で一番大きな収穫用農機「ハーベスタ」を購入し、近くの農家4軒と年間120トンを収穫、約9000万円を売り上げる。すべて大手菓子メーカーとの契約栽培で、おなじみのポテトチップスに加工される。

 友人の紹介がきっかけ。ハーベスタだけでも1台800万円と大きな投資を伴ったが「迷わなかった」。「なぜって…始める前に徹底的に調べたからさ」

 九州最大の生産地・鹿児島県へ視察に直行し「土質、水はけなど生産条件は鳥栖が断然、上」と確信。品質と反収は九州トップクラスを維持している。

 他にも、健康や美容効果で注目の黒米は雑穀米販売会社、酒米は造り酒屋、そして麦も大豆も、作るものすべてが契約栽培だ。価格を決めているため、相場が暴落しても収入が安定するのが最大のメリットだ。

 「自分で売り先を開拓しないとだめだと気づいたのは50歳を過ぎてから。しかも、大きな投資が必要で、人が作れないものを探した。毎日が情報収集で大変だけど、競争を生き残るにはこれしかない」

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