薪窯焚きを見守る15代酒井田柿右衛門さん(左)=有田町南山の柿右衛門窯

 有田陶器市に合わせ、有田町南山の柿右衛門窯で3日、薪(まき)窯焚(た)きの特別公開があった。昔ながらの薪窯による焼成は見学できる機会が少なく、訪れた人たちは窯から噴き上がる炎の迫力に見入っていた。

 赤松の薪千本を使い、十五代酒井田柿右衛門さんが秋の個展に出品する作品など約500点を焼成した。前日早朝に火入れし、3人一組となった2班が交代で火を絶やさぬよう番をして、あぶり焼きで徐々に温度を上げていた。

 公開したのは薪を立て続けに入れる「せめ焚き」と、約1300度で10時間かけて仕上げる「あげ火」。見守った柿右衛門さんは「薪窯があるところは少なくなってきている。窯から噴き出る炎の様子を堪能してもらえたのでは」と話していた。

 福岡市から夫婦で訪れた井口博太郎さん(78)は「作品をいくつか持っているが、こうして手間をかけることで素晴らしい作品が出来上がるんだと改めて感じた」と、薪が次々と投入される窯を見つめていた。全体で40~45時間焼成した後、数日かけて自然に冷やし取り出すという。

 同窯では5日までの陶器市期間中、離れを開放してお茶とお菓子でもてなしている。

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