武雄市と伊万里市の路線バスを終了した昭和バス。地域交通機関の課題が浮き彫りとなった=唐津市

 昭和バス(佐賀県唐津市)が3月末で武雄市と伊万里市を結ぶ路線の運行を終了した。1便の平均利用者が約3人と、採算面に加え、ドライバー確保が難しくなっていることが要因。他のバス会社も同じような課題を抱え、「路線の維持が難しくなるかもしれない」と悲観的な声も挙がる。

 「黒字路線は唐津や伊万里と福岡を結ぶ便などに限られ、県内路線の大半は採算が合わず、補助金などで成り立っている」と昭和バスの担当者。ただ、「公共交通機関なので赤字だからと言ってやめるわけにはいかない」とも話す。

 バス業界にのしかかる課題は地域の人口減少による利用減やドライバーの高齢化。同社ではドライバー確保のため、入社の際に最大50万円の祝い金を出し、ドライバー確保につなげている。積極的な採用姿勢で、全路線をカバーする定数より4人多い運転手を確保している。

 路線のあり方について考える社内プロジェクトチームを4月に立ち上げ、バス路線を一部、ジャンボタクシーに代替する案などを描いている。担当者は「採算も大切だが地域貢献という理念もある。可能な限り、運行を維持していきたい」と話す。

 佐賀市交通局(佐賀市)は佐賀駅バスセンターを中心に佐賀市内で26路線、69台を運行している。これに対する乗務員は90人で、通常運行をするには7人不足し、休日出勤や時間外労働でなんとかシフトを回しているという。また、平均年齢が50歳を超え、若手の確保も大きな課題だ。

 常時、ハローワークを通じた募集や免許取得費用の助成など手を打っているが集まりは悪い。担当者は「賃金水準が高くない割に長時間労働のイメージがあり、応募者は少ない」という。

 全路線の中で黒字は市中心部の数路線で、他のほとんどの路線は国や県の補助金を受けて運行している。「路線や時間帯を増やしてほしいという要望が寄せられているが、現状を維持することも難しい状況」と担当者。公共交通機関をどう維持していくか。官民連携で方策を探ることが求められている。

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