携帯電話事業者が、フィルタリングサービスの加入確認をする際に用いる書類。中ほどに「加入しない」の項目と、その理由を尋ねる箇所が設けられている=佐賀市多布施のソフトバンク佐賀中央

 未成年のスマートフォン(スマホ)や携帯電話の利用を巡る法律が改正され、有害サイトの閲覧を制限する「フィルタリング」の有効化が携帯電話事業者に義務付けられた。これまで購入時に提供するだけだったフィルタリングの機能を設定することが事業者に課せられ、佐賀県も関連する条例を改正した。事業者と保護者の責務を明確にする狙いだが、実際に有効化しているかどうか、県は実態を把握しきれておらず、対応を求める声が学識者から上がっている。

 改正されたのは「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」で、2月に施行された。公衆無線LANサービス「Wi-Fi(ワイファイ)」や無料通信アプリ「LINE(ライン)」などの普及で接続方法が多様化したため、フィルタリングソフトや基本ソフトを設定し、閲覧制限を有効化することを事業者の義務とした。

 ただ、保護者が希望しない場合は適用外になる。このため県は、希望しない理由書を事業者の窓口に提出させて監督責任を明確にし、フィルタリングの促進につなげている。事業者は子どもが18歳以上になるか、契約が終わるまで書面を保存する。怠った場合は県が是正を勧告し、従わない場合は事業者名を公表する。

 県は法改正に先行して2013年度から、フィルタリングの実効性を高めるために、フィルタリングを希望しない保護者に理由書を提出させるように事業者に求めてきた。ただ、県こども未来課によると、実施状況の確認は事業者との不定期な意見交換にとどまり、希望しない保護者の数も把握できていないという。

 このため、3月に開かれた県青少年健全育成審議会では委員が「根拠がないと、是正勧告や事業者名の公表はできない。実態の把握が必要では」と疑問視した。同課は「他の自治体の情報を収集し、確認方法を検討したい」と話している。

 内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、過去5年間の小中高生の保護者のスマホのフィルタリング利用状況はいずれも4割台にとどまっている。

このエントリーをはてなブックマークに追加