穀雨の頃、わが家の食卓を豊かにしてくれるタケノコ

庭に咲いたオオデマリ

 四季折々に豊かな自然を表す言葉を持つ日本。季節や伝統行事、文化、人々の生活は、動物や植物の生命の営みと無関係ではありません。一年を二十四節気に分け、この季節を穀雨と呼びます。

 春分から15日目の清明、清明から15日目の穀雨。4月20日ごろに当たります。穀物を育てる雨という意味で、この頃に降る雨が田畑を潤し、生物の営みが盛んになる季節です。冬の間しばしの休息をえていた草取りが始まるのも、わが家の庭に春の使者がやってくるのも穀雨の頃です。清明の頃のワラビに続いて穀雨の頃はタケノコ。山郷のわが家の食卓を豊かにしてくれるありがたい季節です。

 掘りたてのタケノコは大鍋にタカノツメだけを入れて、30分ほどゆでるだけ。和洋中のどの料理にも重宝する食材です。夕飯の献立のために毎朝、庭を一巡りしてタケノコの場所を確認するのが日課になっています。

 たくさん掘った時は、掘りたての皮付きのままのものは都会に住む子どものたちに、ゆでたては友人へのお土産に届けます。香りと味とともに気持ちも一緒に届けるわが家流の地産地消。

 青々として柔らかいヨモギを見るたびに、今年こそはよもぎ団子やよもぎ餅を作ろうと心に決める穀雨の頃。そしてキイチゴ、オオデマリ、ヤマボウシ、ナニワイバラの白い花が庭の主役になる5月。新茶の茶摘みが忙しい立春から88日目に当たる頃の八十八夜は夏の入り口。小学唱歌で夏も近づくと歌われる頃は、春がいよいよ終わり、夏が近づいていることをいや応なしに実感する季節です。ゴールデンウイークに里帰りした人たちが、故郷の懐の深さを実感する季節でもあります。静かな山郷に子どもの声が響く、うれしい季節です。(地域リポーター・岩田雅予=佐賀市大和町)

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