陶器市客で賑わう皿山通りを演奏しながら進むバグパイプ

 29日に開幕した有田陶器市。春の陽気に誘われ、焼き物ファンで早朝からにぎわった。掘り出し物探しとともに楽しみなのが、盛りだくさんのイベント。観光客たちは恒例となった朝がゆに長蛇の列をつくり、オープニングやパグパイプバンドのパレードにカメラを向けるなど大型連休の一日を満喫していた。

 

■早朝の朝がゆにぎわう バグパイプのパレードも

湯気が立つ朝がゆを受け取る陶器市客=西松浦郡有田町皿山通り

 ○…有田陶器市のにぎわいに花を添えるのが、趣向を凝らした数々のイベントだ。名物となった皿山商店会の朝がゆは、午前6時の開始前には整理券がなくなるほどの盛況だった。

 朝がゆは、その年の干支(えと)が描かれた碗(わん)で味わい、持ち帰りできることで人気。今年は張り子の戌(いぬ)で、毎年集めている人も少なくないという。午前4時から有田町の棚田米を炊いて提供した。

 一番乗りは福岡県みやま市の中島あゆみさん(37)親子で、前日午後11時から並んだという。これまでに十数回訪れ、「早朝は寒いので体が温まってうれしい」と味わっていた。1杯500円で、期間中一日300杯を用意している。

 「ジョージ・ワトソンズ・カレッジ」のバグパイプバンドのパレードも、陶器市の盛り上げに一役買った。英・スコットランドの民族衣装に身を包んで伝統楽器の音色を響かせながら、JR上有田駅近くから有田駅までの約4キロを華やかに練り歩いた。

 

■「百婆仙像」が除幕 ギャラリーペクパソン 韓国陶芸協会が寄贈

百婆仙像を序幕し、記念撮影する女性たち=有田町のギャラリーペクパソン

 ○…有田焼創生期に一族の陶工を率いて有田に移り住み、「有田焼の母」とも呼ばれる百婆仙(ペクパソン)像の除幕式が29日、有田町岩谷川内のギャラリーペクパソン(久保田均館長)であった。日韓の関係者が設置を祝い、友好を深め合った。

 久保田館長(69)と韓国陶芸協会の尹〓雲(ユン・テウン )元会長(71)が「日韓百婆仙研究会」の共同代表を務める縁で、韓国陶芸協会から寄贈を受けた。作陶した陶芸家、安〓榮(アン・ソギ ョン)さん(65)は「自分の母親や両国の女性からイメージした。制作できて光栄」と話していた。

 式には百婆仙の出身地とされる金海(キメ)市など韓国側の関係者も多く参加し、女性たちの手で像が除幕された。尹元会長は「陶磁器をきっかけにして、日韓の未来のために協力し合うのが私たちの使命」と、交流の拡大を誓った。

 

■福田さん(有田町)ら入賞者を表彰 有田国際陶磁展

美術工芸品・オブジェ部門最高賞の石原祥嗣さん(右)と、産業陶磁器部門最高賞の福田雄介さん=有田町の県立九州陶磁文化館

 ○…第115回有田国際陶磁展(県、有田町、有田商工会議所主催、佐賀新聞社など後援)の表彰式が29日、同町の県立九州陶磁文化館であった。美術工芸品・オブジェ部門最高賞(文部科学大臣賞)の石原祥嗣さん(74)=福岡県宮若市、産業陶磁器部門最高賞(経済産業大臣賞)の福田雄介さん(36)=有田町・福珠窯=ら入賞者34人に賞状が贈られた。

 石原さんは「積み重ねた技術や経験が生かされたと感じた作品。若い人の刺激になれば」と喜びを語った。5年前に東京から同町に帰ってきた福田さんは「産業陶磁器部門の名の通り、本当の勝負はこれから。情報発信し、販売し対価を得て、事業として継続させる義務がある」と決意を述べた。

 美術工芸品・オブジェ部門の入賞入選作は九陶で、産業陶磁器部門の全出品作は県陶磁器工業協同組合で5月6日まで展示する。

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