佐賀県教育委員会が県内小中学校や高校を対象に、同性愛や性的違和感など「LGBT」に関して初めて実施したアンケート調査結果がまとまった。320校から回答があり、2017年度にLGBT当事者の児童生徒やその保護者から相談があった件数は11校で12件だった。当事者がいるかどうかにかかわらず、配慮を実施しているかを尋ねたところ、希望する呼称で対応すると答えたのは3割弱の86校だった。

 県学校教育課が小中学校で例年実施している「学校における人権・同和教育推進状況に関する調査」で尋ねた。公立・私立高校と特別支援学校でも同様の調査を実施した結果、小学校5校と中学4校で1件ずつ、高校・特別支援学校の2校で3件の相談があった。

 文部科学省は15年、性同一性障害の悩みがある児童生徒に対し、きめ細かな対応を求める通知を都道府県教委などに出している。これを受けて県教委は、希望する服装や髪形を認めるなどの配慮をしているかどうかも調べた。配慮で最も多かったのは、名前に「君」でなく「さん」を付けて呼ぶなどの「呼称」が86校。次に着替えなどでの「ついたて使用」が69校、1人で入浴させるなどの対応を含む「修学旅行」での配慮が37校で続いた。

 ある学校では「自認する性に合った制服を着たい」と相談があった。学校側は「まずは受け入れ体制の整備を整えたい」と、職員が性の多様性を学ぶ研修会を始めた。今後は子どもにも学びの場を広げ、理解を深めた上で本人の希望に沿う対応を目指したいと話す。

 県学校教育課人権・同和教育室は、アンケート調査の結果を活用した人権担当職員の研修を5月に計画している。担当者は「悩んでいる子どもが県内にも確実にいることが示された。性自認を明らかにしなくても快適に学校生活を送れるように、できる配慮を考えていくきっかけにしたい」と話している。

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