現職の樋口久俊氏(72)が、前市議で新人の中村一尭氏(33)を752票の僅差で破り、3選を果たした鹿島市長選。実績や組織力で優勢とみられていた樋口氏は最終的に肉薄され、苦い勝利となった。

 樋口氏は昨秋の出馬表明以降、後援会を基盤に多くの団体の支援を取り付けた。堅実な展開だったが、地域を回り、草の根で支持を広げていった新人と競り合う状況になった。当初から現職陣営には「今回は争点がない。年齢だけ」と楽観ムードがあった。新人候補を「若すぎる」とする見方があり、それが緩みを招いていた。実際には、若返りへの期待や閉塞感の打破を求める声が強まる形になっていた。

 市の現状に対する両候補の認識は、異なる部分があった。現職は「鹿島は順調に動いている」と主張し、新人は「活気がなくなってきている」と訴えた。

 真っ二つと言っていいほどに票が割れた状況は、現市政への異議や批判が思いの外、多いことを表しているのかもしれない。樋口氏は当選後「これまでの取り組みをトップスピードに」と強調したが、地域にくすぶる不満の声が置き去りにならないか、市民は注視している。

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