ゴボウやシイタケなどを使った普茶料理の一例。左上の「かまぼこ」は山芋を使い、食紅で色を付けた

料理の説明に耳を傾ける来場者。手の込んだ仕上がりと盛り付けに感嘆の声が漏れた=小城市の小城公民館晴田支館

 江戸時代、黄檗(おうばく)宗の僧侶が小城市の星巌寺(せいがんじ)に伝えたとされる中国風の精進料理「普茶(ふちゃ)料理」の食事会が22日、同市小城町の小城公民館晴田支館であった。料理を伝承する住民グループが毎年、春と秋に企画。市外からの常連客も多く、旬の山菜を使った大皿料理を仲良く取り分けて味わい、会話を弾ませた。

 法要の後、供え物を材料にした料理を僧侶や檀(だん)家(か)が一堂に会して食べる習わし。地元住民でつくる「おぎ春香会」(中尾幸子会長)が30年ほど前、長らく途絶えていた風習を復活させた。勉強を重ねた料理のレパートリーは100種類以上。恒例の食事会は予約開始直後に定員(60人)に達する人気ぶりだ。

 この日は、タケノコをすりつぶして揚げた団子に始まり、男性会員がねり上げたごま豆腐、豆腐のワラビ巻きなどを提供。鮮やかな盛り付けと豊かな風味に、相席した見ず知らずの人たちからも笑みがこぼれ、「食べるのがもったいない」と感嘆の声も漏れた。

 中尾会長(77)は「続けるのは本当に大変だけど、皆さんの笑顔が元気をくれる」。食事会後は、味わいが損なわれないように直前まで調理を続けた会員約20人が、来場者を笑顔で見送った。

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