自殺対策基本計画案を承認した協議会=佐賀県庁

 佐賀県は本年度から10年間の自殺対策基本計画を策定した。国の指針に沿って期間内に自殺死亡率を30%以上減少させる数値目標を掲げた。若者の自殺対策などを重点事項に掲げ、発達障害のある人や性的少数者(LGBT)への支援の充実も盛り込んでいる。

 計画は「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を理念に打ち出し、過労や生活困窮、いじめなど「生きることの阻害要因」を減らし、社会全体の自殺リスクを低下させるとした。目標では、人口10万人当たりの自殺者数を表す自殺死亡率を2016年の15・4人(自殺者数147人)から27年までに10・7人(同88人)以下とするように設定した。

 神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかった事件で、自殺願望がある若者への対策が課題になったのを受け、子ども・若者対策に児童生徒の自殺予防につながる教育の実施を加えた。ストレスに対処したり苦しい時に助けを求めたりする「SOSの出し方に関する教育」を推進する。

 労働者対策では、長時間労働を是正する「働き方改革」を踏まえ、過労死や過重労働による健康障害の防止に取り組む。社会の無理解や偏見を背景に生きづらさを感じるLGBTや発達障害の人たちを支援するため、正しい知識の普及や相談窓口の設置も進める。

 計画は3月下旬に開かれた有識者らでつくる県自殺対策協議会で承認された。委員からは「健康問題など自殺の理由についてもっと具体的に分析する必要がある」「高齢者の生活困窮対策もますます重要になり、関係機関の連携強化が求められる」などの意見が上がった。

■昨年の県内139人、減少も…女性増、50代最多

 佐賀県の昨年1年間の自殺者数は139人で、前年の2016年より8人(5・4%)減った。2003年の269人をピークに減少傾向を続け、25年前の水準まで下がっている。

 県障害福祉課によると、昨年の自殺者の性別は、男性が前年から14人(12・5%)減の98人だった一方、女性は6人(17・1%)増えて41人だった。年齢別では50代が34人で最も多く、60代26人、70代22人と続いた。19歳以下は5人。

 原因・動機別では、健康問題が最も多い59人で全体の42・4%を占め、次いで借金苦などの経済問題の27人(19・4%)。月別は6月が最多の15人で、2、3、5月はそれぞれ14人で2番目に多かった。

 県は2017年4月に地域自殺対策推進センターを設けて対策を強化している。

 全国では昨年の自殺者数が佐賀を含む30都道府県で前年より減少した。

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