実証試験で麦畑に農薬を散布するドローン。作業の効率化が期待される=嬉野市塩田町

ドローンを使った農薬散布の実証試験に臨む関係者=嬉野市塩田町

 農業分野への活用が注目されている小型無人機「ドローン」を使った農薬散布の実証試験が17、18の両日、嬉野市のほ場で行われた。麦の穂に発生する赤カビ病の予防効果を確認するとともに、将来的な農業の担い手不足解消に役立てるため、作業負担の軽減やコスト削減効果も見極める。

 ドローンの教習や整備、認定証取得などを行う九州エアロサービス(平石善憲代表、小城市)と嬉野市営農組合連絡協議会が共催。一定以上のまとまった面積での効果を確認するため、品種別でブロックを作り、集中して作付けする「団地化」をいち早く進める同市の農事組合法人「アグリ三新」(江口敏春代表理事)の約11ヘクタールのほ場で行った。

 今回使用したドローンは、農薬8リットルを搭載し、約10分間で1ヘクタールに散布できる。アグリ三新によると、乗用管理機を使った場合、8ヘクタール防除するのに約9時間かかり、大量の水をタンクに供給する必要もあって4、5人体制で臨んでいた。ドローンはバッテリー充電など制約はあるが、人員を減らすことができ、掃除の手間も楽になる。ラジコンヘリよりコスト面も大幅に抑えられる。

 小雨が降るあいにくの天気だったため、1日の予定を変更し2日間に分けて実施したが、作業はトータル3時間程度で終わったという。今後、従来の乗用管理機やラジコンヘリで防除する周辺の農場と病気の発生状況の違いを確認する。

 アグリ三新の古賀秀敏理事は「防除の人員をなんとかして減らしたいと思っていた。音も静かなので、民家の近くでも朝早くから防除できるメリットがある」と手応えを語る。

 実験に協力した藤津農業改良普及センター技術指導担当主幹の上瀧孝幸さんは「農業は60~70代が中心。その人たちがリタイアした場合を見据え、早いうちから少人数でもできることを検証しないといけない」と強調する。この日は参加した農家から、稲の株元に寄生するウンカ類への防除効果について質問もあった。上瀧さんは「ドローンは米、麦、大豆の土地利用型農業で、汎用的に使うのがより効果的。他の作物でも実証していければ」と話す。

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