ニッケイ

 一年中青々と葉を茂らせるニッケイの木。江戸時代に中国から伝わったとされ、今では日本各地で栽培されるようになりました。

 昭和中ごろまで祭りの露店や駄菓子屋で見かけていたニッキ棒は、ニッケイの根を乾かした駄菓子で、さわやかな甘い香りと、薄荷のようなほの辛い味わいが口の中に広がります。その風味を薬のようにも感じてしまうのは、ニッケイの根や幹の皮(樹皮)は芳香性健胃、発汗、解熱などの作用を持つ生薬であり、胃腸薬や風邪薬など、多くの漢方薬に配合されているからです。

 生薬名を肉桂といいますが、ニッキ、ニッケなどの名でも呼ばれます。また、同属のセイロンニッケイやカッシアの樹皮もシナモンや桂皮、桂枝といい、香辛料や生薬として同様に利用されています。夏にかけ、こずえには淡黄色の小花。さわわと風にたゆたえば、ほのかにあの香りがするような。(中冨記念くすり博物館)

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