九州新幹線長崎ルートの整備方式で、JR九州が初めて「全線フル規格による早期開業」を与党に求めることが17日、関係者への取材で分かった。選択肢に上がっていたミニ新幹線は運行主体として課題が多いと表明、開発中のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入は困難と改めて説明し、方針を鮮明にする。18日の与党プロジェクトチーム(PT)の検討委員会で説明する。

 利害関係にある3者のうち、JR九州と長崎県が全線フルを求めることになるが、追加の費用負担が大幅に増える佐賀県は反発を強めるとみられる。

 JR九州は、国土交通省が3月に示した整備方式の試算を踏まえ、在来線の幅を広げるミニ新幹線では、工事中や開業後に在来線の所要時間が増え、減便する悪影響が生じ、時間短縮効果も小さいと判断した。

 FGTは、山陽新幹線への乗り入れが不可能で、JR九州の収支が年間50億円の赤字になり、改めて「導入は困難」と説明する。

 長崎ルートは2016年の6者合意で、武雄温泉駅で新幹線と在来線特急を対面で乗り換える「リレー方式」で22年度に暫定開業することが決まっている。JR九州は、リレー方式が固定化や長期化した場合、収支が赤字になり「経営上大きな問題になる」と主張するとみられる。

 全線フルは鹿児島ルートで実績があり、営業主体として課題はないと判断、地域の発展につながると訴える方針だ。

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