メインパビリオンの幕末維新記念館に設けられた「『志』ことのは結び」のブース。来場者が楠の葉をモチーフとした用紙に感想や、志を書き込む=4月17日、佐賀市城内

 肥前さが幕末維新博覧会は開幕から1カ月で全体の来場者数が約18万7千人、メイン館は約2万7千人に上る。16日に「リアル弘道館」が開館してメイン3館体制が整い、佐賀県は今月末からの大型連休を最初のヤマ場と位置付け、来場を呼び掛ける。運営面では高齢者への配慮など課題も浮かび上がっている。

 「佐賀で育ったけど知らないことも多く、もう一度勉強し直そうと思った」。17日、佐賀市のメイン館・幕末維新記念館を訪れた40代女性は満足した表情を浮かべた。県の担当者は来館者にはおおむね好評といい、「佐賀を知ってもらい、未来志向につなげていく効果は出ている」と手応えを語る。

 県がまとめた15日までのメイン館の来館者数は、幕末維新記念館2万1472人、葉隠みらい館5810人。住所別は県内6割、県外4割。年齢別は10歳以下29%、11~20歳21%、21~30歳11%、31~40歳12%、41~60歳15%、61歳以上12%と比較的若年層が多い。

 幕末維新記念館の1日の最高は開幕日の1521人で、来場者数について県は「十分とは言えない」とする。開幕直後は春休みだったが、4月は多忙な年度当初で団体客も少なく「爆発的には伸びない想定はあった」。リアル弘道館の開館前で、3館共通の前売り券利用者が少なかったことも要因としている。

 運営面の課題も挙がる。幕末維新記念館では立ったまま映像を楽しむ場面が多く、高齢者向けのベンチ設置を求める声があるほか、佐賀市内に点在する施設の「おすすめルート」を尋ねる来場者も多いという。唐津サテライト館では偉人を漫画化した展示が、歴史ファンから「物足りない」との指摘も出ている。

 一方で、会場が集中する佐賀市中心部は効果も出始めている。呉服元町に開設されたオランダハウス近くの「わいわいコンテナ2」には、維新博来場者が休憩で立ち寄る。中央大通りに設置した25体のモニュメントを巡る観光客も増えており、商店街関係者は「協力店でチケットの半券を見せればそれぞれサービスがあることを、もっと周知すべき」と話す。

 鳥栖サテライト館は5日から、鳥栖プレミアム・アウトレットの買い物客を呼び込むため、特典付きの相互スタンプキャンペーンを始めた。佐賀駅の仮設案内所も5月中旬には駅構内西側に常設する。

 開催期間の2019年1月14日までの目標はメイン3館で50万人、全16施設では100万人。17日の推進本部会議で山口祥義知事は「県内で維新博に行かなかったという人が出ないように、全体を成熟させる形で盛り上げていければ」と述べた。

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