玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)の蒸気漏れトラブルから約半月。九州電力が示した再発防止策に佐賀県などが理解を示したことで、発電再開へ動き出した。関係自治体からは「それなりの対応だ」などと一定評価する声がある一方、「トラブルが重なると信頼を失う」と今後の対応にくぎを刺す声も聞かれた。

 専門家の意見を踏まえたステップを踏むよう九電に求めていた佐賀県。副島良彦副知事は、問題の配管と同種の配管全てを交換した処置などを「それなりの対応がされている」と評価。配管の材質をさびにくいステンレスへ交換することなどが今後の対応にとどまったことに対しても「技術的知見を高めた上で検討されると考えている」などと見守る姿勢を示した。

 原発が立地する玄海町の岸本英雄町長は「あくまで2次系統のトラブル。放射能漏れもなく大きな問題と捉えていない」。九電には「なるべく早く発送電を再開してほしい」と伝え、原発推進姿勢を明確にした。

 再稼働の地元同意権拡大などを求めてきた伊万里市。防災危機管理課の担当者は「このようなトラブルが重なると信頼を失っていくことになる」と懸念を示し「安全を最優先に十分な点検を」と注文した。

 一方、反原発団体は落胆の色を隠せない。玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会の永野浩二事務局長(45)は「安全が最優先と言うなら、原子炉を止めて全配管を確認すべき。福島の事故を経験したのに、これでは安全神話そのもの」と発電再開を急ぐ九電、それを容認する国や県を厳しく非難した。

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