各地域の地銀存続の可能性

 金融庁の有識者会議は11日、地方銀行が抱える課題をまとめた報告書を発表した。人口減少などによる経営環境の悪化で地銀が1行しかなくても単独での存続が難しい地域が23県あると試算。収益の確保で県境を越えた再編を含めて選択肢になるとしている。公正取引委員会の承認が得られず延期になったふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合も認めるべきだとした。

 報告書は地銀を巡る状況について、人口減による地域経済の縮小などで大幅な貸出残高の減少が見込まれると説明。2016年3月末のデータを使い、各地域で2行分のシステムや人件費が賄える収益が上げられ、存続可能か試算したところ、2行の存続が可能な地域は宮城、神奈川、愛知、福岡など10府県、1行単独なら存続可能が北海道、京都、愛媛、熊本など13道府県、1行でも存続困難が青森、富山、和歌山、島根、宮崎など23県となった。

 このため「経営統合は、金融機関の健全性維持のための一つの選択肢だ」とし、隣県を含めた広域での再編も考えられると強調。FFGと十八銀に関しても公取委に対して統合を容認するよう求め、同じ地域内で競争上の問題がある場合は、金融庁が金利などの融資条件や、金融サービスの変化について審査し是非を判断すべきだとしている。

 試算は簡易的なもので、東京都は貸出残高などの規模が他地域よりも大きく分析できないため、対象から外した。

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