各国のキャッシュレス化の進展状況

 経済産業省は11日、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを支払いに使う「キャッシュレス化」の推進に向けた提言をまとめた。現在約20%にとどまっている現金以外の比率を将来的に80%に引き上げることを目指す。企業の省力化につなげて人手不足に対応するほか、ビッグデータを活用した産業育成を進める狙い。

 昨年決定した成長戦略では10年間で40%にするシナリオを描いたが、達成時期を2025年に2年前倒しし、最終目標を80%に上げる。実現に向けて決済端末の導入補助や税制面での優遇措置などの施策を検討する。産官学の協議会を立ち上げ具体策を詰める方針。

 現金の流通や管理に関わる国内のコストは年約8兆円に上るとの試算もある。現金の扱いが減れば、銀行は現金自動預払機(ATM)や支店を減らしてコストを抑制でき、小売・サービス業では会計や経理に関わる人を減らせる。国も支払いの流れを把握しやすくなり、脱税防止が期待できる。

 消費者の購入記録などを電子データ化しやすくなるため、ビッグデータとして新たなサービス開発に活用できる利点もある。

 各国のキャッシュレス決済は15年に韓国89%、中国60%、米国45%だったのに対し、日本は18%と現金で支払う慣習が根強い。偽札の流通や盗難被害が少ないことが理由で、店側が支払うカード会社などへの手数料が海外と比べて高いことがキャッシュレス化を妨げているとの見方もある。仕組みになじめない高齢者などへの配慮も必要となりそうで、課題は多い。

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