稲、麦、大豆の種子の安定供給を都道府県に義務付けた主要農作物種子法(種子法)が、1日に廃止となった。種子産業への民間企業参入を促す目的だが、価格高騰や品質低下などを懸念する声があり、埼玉、新潟、兵庫の3県は、同法に代わる独自の条例を制定。同日施行された。

 種子法は1952年、主食を増産するために制定。都道府県は同法を根拠に、農業試験場など公的研究機関での種子の開発や普及に予算を付け、国内で作られる稲、麦、大豆の大半の種子を農家に供給してきた。

 埼玉県の条例は県が種子の需要見通しや生産量の計画策定の他、「優良な種子の生産に必要な原種、原原種の生産を行う」と定める。提案者の石井平夫県議は「公的な保護がないと価格が上がり、将来的に農家が外国の大規模な多国籍企業の種子に依存する恐れがある。地域固有の品種も守らないといけない」と説明する。

 新潟、兵庫の条例もほぼ同様の内容。新潟県の担当者は「主力のコシヒカリだけでなく、収穫時期がずれる品種なども開発することで、米の安定供給に今後も努める」と話す。

 埼玉の条例は、在来種の生産と維持に県が協力するという、種子法になかった規定も盛り込んだ。県内には大豆やもち米などさまざまな在来種があり、流通、販売の支援を強化する。

 農林水産省によると、条例を制定した3県以外の44都道府県も、要綱などの内規を定め、種子の供給体制は当面、従来通り維持されるという。

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