日本の20世紀遺産20選に選ばれた、有田町の町並みの歴史的意義を紹介するフォーラムが18日、同町の県立九州陶磁文化館で開かれた。選定に携わった日本イコモス国内委員会の後藤治氏が「江戸時代からの窯業が息づくとともに、伝統的な建造物と洋風の建物が入り交じった生活感がある町」と魅力を解説した。
後藤氏は講演で20世紀遺産について、ユネスコの世界遺産委員会に諮問などを行うイコモスが、各国の国内委員会に20選の選出を要請したことを挙げ「伝統産業産地の有田を選んだことは、これから選出する各国に影響を与える」と指摘。「窯業の継続と景観の保全をセットで考え、先人が築いた文化を継承して」と話した。
講演会後は希望者と、焼き物の廃材などで作った有田独特のトンバイ塀がある裏通りや、明治の洋風建築「有田異人館」などを見学した。