いよいよ、「北斎・広重 大浮世絵展」(11日~8月31日、県立美術館)が今週末から始まる。2人の代表的な浮世絵師の作品200点以上が並ぶことを想像すると、少々興奮気味だ。
取材を通じ、改めて感じるのは江戸時代に巻き起こった浮世絵ブームの庶民性だ。当時、江戸っ子たちは「芸術」というものを意識して、浮世絵を求めていたわけではないのだろう。浮世絵が芸術として評価されたのは、欧州の芸術家たちがジャポニスムとして注目してからだ。江戸の庶民は、自分たちの生活を潤す娯楽の一つとして楽しんでいたと考えられている。